四将新報

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岸亜双永世雷帝誕生!!天帝戦は挑戦者が出揃う【ウィークリー四将vol.11_10/19-10/25】

 こんにちは、四将新報編集部です。1週間の棋戦情報をお届けするウィークリー四将、今週は雷帝戦がついに決着しましたね!第74期雷帝戦七番勝負は最終局に至るまで非常に僅差の戦いに。激戦を制した岸亜双雷帝が防衛を果たし、雷帝位獲得数を通算6期として永世雷帝の資格を得ました。また、第71期ランキング戦は第2ステージが終了し、天帝戦の挑戦者が出揃いました。そこで、今回は岸亜双雷帝の防衛記念として岸亜雷帝が活躍した対局を2局厳選してお届けします!

 

雷帝戦 岸亜双雷帝が久しぶりの雷帝位防衛!

 まずは永世雷帝の称号獲得となった雷帝戦から。第74期雷帝戦七番勝負は10月20日(火)に第4局~第7局までが一気に実施されました。連戦では中司五冠とあるきびと四段が勝利をおさめ、第6局が終了時点ではこのような順位表となっていました。

1位:あるきびと四段 14pt
2位:中司晃貴五冠  13pt
2位:岸亜双雷帝   13pt
4位:やきそば初段    2pt

 3人が1pt差で並ぶという非常にまれな展開!ポイント制Bルールで行われる雷帝戦七番勝負。誰の手にタイトルが渡るか想像がつかない状況での一局でした。

 そんな対局ですが、岸亜雷帝が序盤から積極的な指し回しを見せました。まずは上家の中司五冠を相手に抜刀銀戦法を採用。銀を繰り出して攻勢に出ます。対岸ではあるきびと四段・やきそば初段が戦闘に入り番い戦の立ち上がりに。中司五冠からも返す刀で強烈な反撃を喰らいますが、粘り強く戦線を維持し倒れることなく戦い続けます。

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中司五冠の反撃を受ける岸亜雷帝。一間龍にも屈しない。

 先にやきそば初段と戦っていたあるきびと四段が撃破されると、岸亜雷帝はこれまで受けた攻撃の反動を活かし、左辺に堅陣を生成します。絶対的な自玉の安定度を手に入れた岸亜雷帝。そのまま中司五冠・やきそば初段へと攻撃を繰り出し、最後はやきそば初段を破ってトップに!本局4得点で首位に立ち、防衛達成となりました!

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 7局に渡る激闘はこれにて決着。岸亜双雷帝は第56期雷帝戦で雷帝位を獲得して以来、これで通算6期目となる雷帝位。雷帝位だけで言えば第57期以来17期ぶりの防衛成功となりました。規定により三人目の永世雷帝資格保持者となった岸亜双雷帝。棋歴の長い連盟員として、今後も棋界の天下を分かつ存在であり続けるのでしょうか。

 

ランキング戦 天帝戦の挑戦者が決定!

 第71期ランキング戦は第2ステージが終了。中田竜帝・岸亜雷帝が1勝ずつで迎えた第6局でも岸亜雷帝が勝利し、先述の2名が第2ステージ突破を決めました。

 本局は天守閣玉に組んだ岸亜雷帝ですが、じっと不動の構えで立ち向かいます。中田竜帝・水嶋四段のコンビがやきそば初段を挟撃するなか、岸亜雷帝はぐっとこらえて手待ちをし、チャンスを伺います。対面への攻勢は救援に向かいたいところではあるのですが、ここは反撃を避けた待機策が功を奏することになります。

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金銀を低く配置して機を伺う岸亜雷帝

 最初にチャンスをつかんだのは水嶋四段。挟撃で追い詰めたやきそば初段にさらなる攻勢に出ると、自身の飛車で縦に挟み撃ち。対岸の中田竜帝を先に切り飛ばして撃破します。そのままやきそば初段も討ち取られますが、岸亜雷帝は一騎打ちに活路を見出します。好形を活かして本局を制し、ステージ突破となる2勝目を挙げました。

 本局の結果を以ってランキング戦は終了。あるきびと四段・中田正康竜帝・岸亜双雷帝の3名が天帝戦の挑戦者に決定しました!直近の棋戦で活躍している3名が中司晃貴天帝に挑むということもあり、タイトル戦でも熱戦に期待です!

 

おわりに

 今週はさっくりと振り返っていきました。永世雷帝の誕生ということもあり、大記録が1つ打ち立てられた一週間でしたね。ただ一方でこれで棋戦的には一区切り。しばらく公式棋戦も間隔が空きそうです。不定期連載のウィークリー四将はお休みさせて頂く場合もありますがどうかご了承ください!また新たな情報をキャッチした際にはツイッターでも呟いていきたいと思います!

 では今週もこの辺で。お読みいただきありがとうございました!