四将新報

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第74期雷帝戦七番勝負開幕。早秋の盤上に火花散る。【ウィークリー四将vol.6_9/14-9/20】

 こんにちは、四将新報編集部です。今週はタイトル戦である第74期雷帝戦がついに開幕。七番勝負の前半戦である3局が指されました。また、昨日19日には日本四人将棋連盟としては久々となるダブルス棋戦「王双戦」の開催が決定。新展開を見せた今週の四人将棋界を振り返っていきましょう!

 雷帝戦七番勝負がついに開幕、注目の3連戦。

 今週の一番のトピックスは第74期雷帝戦。9月16日(水)に七番勝負が開幕し、第1局から第3局までのトリプルヘッダーにて対局が実施されました。いきなり前半戦3局を一気に消化するということもあり、雷帝の座を巡って激しい勝負が繰り広げられました。

 

第1局、岸亜雷帝が防衛に向けスタートダッシュ

 第1局は駒組みが終了してから、しばし睨み合いが続くジリジリとした展開に。中司五冠が縦に動く仕掛けを見せて戦いがスタート。岸亜雷帝は早々に飛車を切り自玉の安定を図る作戦、あるきびと四段は早期に玉を右辺に逃がす形を採用。やきそば初段も天守閣玉と地下鉄飛車の組み合わせと、4人それぞれが最近連採している戦型でぶつかりました。

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四者四様の序盤戦。この後激しい戦いが繰り広げられた。

 戦いは中司五冠に対して対面の岸亜雷帝が反発。各地で戦闘が行われる状態になりました。ところがあるきびと四段がやきそば初段に放った叩きの歩で形勢が大きく揺らぐと、岸亜雷帝が巧みな寄せを見せつけました。やきそば玉を寄せながら手順に中司五冠を先に撃破!そのままやきそば初段をも詰ましてしまいます。勢いに乗った岸亜雷帝があるきびと四段の粘りを振り切って、全員撃破で初戦を制しました。

 

第1局結果内容(189手まで)
1位岸亜双雷帝(6pt)
2位あるきびと四段(1pt)
3位やきそば初段(0pt)←岸亜双雷帝
4位中司晃貴五冠(0pt)←岸亜双雷帝
 日本四人将棋連盟ブログより

 

第2局、あるきびと四段が前局のリベンジを果たす。

 第2局も中司五冠から戦端が開かれました。天守閣玉を組まず、早仕掛け模様の速攻からやきそば初段を圧迫。岸亜雷帝が絡んで挟撃戦になります。その隙を逃さなかったのがあるきびと四段。タイミングよく右辺の中司陣に働きかけると、急所を攻めて一気に追い詰めます。直後に手番を握ったやきそば初段が撃破点を手にしました。

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中司玉へ攻勢をかけるあるきびと四段。本局は抜群の支配力を見せた。

 三つ巴になってからもあるきびと四段の支配力は健在。手薄なやきそば玉を確実に追い詰めて撃破に成功。残るは岸亜雷帝と、早速第1局のリターンマッチともいうべき一騎打ちに。天守閣玉の堅陣を築き上げていた岸亜雷帝でしたが、本局はあるきびと四段の猛攻を受けます。左右同士の決戦ということもあってか、盤上を縦に支配したあるきびと四段がリベンジに成功。あるきびと四段が本局の1位となり、5ptを挙げました。

 

第2局結果内容(186手まで)
1位あるきびと四段(6pt)
2位岸亜双雷帝(7pt)
3位やきそば初段(1pt)←あるきびと四段
4位中司晃貴五冠(0pt)←やきそば初段
 日本四人将棋連盟ブログより抜粋

 

第3局、200手超の決戦を中司五冠が射止める。

 第3局は1vs1の局地戦が並ぶ「番い戦」に似た出だしから、一転して各所に駒が飛び交う難解な将棋になりました。中央にて三人攻撃を回避しつつの応酬が繰り広げられ、一進一退の攻防が続きます。ここで機敏な戦いをみせたのが中司五冠でした。岸亜雷帝とやきそば初段の挟撃作戦を見逃さず、即詰みの局面であるきびと四段を撃破します。

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第3局はここまでで最長手数。難解な中盤戦が続いた。

 以降も100手近い激闘が続きます。三つ巴の戦いは岸亜雷帝を追い詰める展開から徐々に流れが変わっていき、やきそば初段が次第に攻撃対象に。やきそば初段への撃破点こそ岸亜雷帝にゆずった中司五冠でしたが、一騎打ちでも堂々とした指し回しを披露。初得点のままに本シリーズ初勝利を収めることに成功しました。

 

第3局結果内容(236手まで)
1位中司晃貴五冠(5pt)
2位岸亜双雷帝(9pt)
3位やきそば初段(1pt)←岸亜双雷帝
4位あるきびと四段(6pt)←中司五冠
 日本四人将棋連盟ブログより

 

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 現時点での結果は上記の通り。岸亜雷帝が防衛に向けて一歩リードといったところでしょうか。第1局のスタートダッシュはもちろん、唯一3局全てで得点を重ねています。追いかける中司五冠・あるきびと四段はどうにか先んじて2勝目を取っていきたいところ。やきそば初段は強豪の壁を前に苦戦が続きます。ですが本シリーズは4局も残されており、この先の展開はまだまだ予想できません!第4局は期間を空けて10月以降に実施の見込みとのこと。秋の深まりとともに、鮮やかな勝負が盤上に訪れる日を待ちましょう。

 

来週の四人将棋(ランキング戦・王双戦)

 今週行われたのは以上の3局。雷帝戦は一旦小休止といったところですが、次週はついに第71期ランキング戦が開幕します。第1局は「水嶋四段・やきそば初段・高城初段・みずにゅー初段」による対局。明日21日(月・祝)の21時から対局開始予定と発表されています。新制度による開幕局がどうなるか見守っていきましょう!

 そして嬉しいニュースがもう1つ。復活したランキング戦に続いて、今度は長年開催されいていなかった「ダブルス」での大会企画が始動しました!

blog.goo.ne.jp

 ダブルスとは対面同士の2人がチームとなり、相手チームの誰か1人を詰ませた方が勝ちとなる独特の対局形式。今回は久しぶりの棋戦開催ということで、ダブルスの試みとして「個人戦」として開催が決定。様々な参加者とペアを組み、そして敵として対峙するこの企画。連盟会員にも経験者が少ないこの土俵でなら、今までになかった戦いが見られるかもしれません!
 王双戦は連盟内外を問わず参加者を募集中。ご興味のある方はぜひ日本四人将棋連盟のTwitterまでDMをとのことです!

 

おわりに

 今週のウィークリー四将はここまで。来週はランキング戦の結果をお届けして参ります。管理人の気まぐれで始まったウィークリー四将ですが、週1回更新ということで安定して皆様のもとにお届けすることができております。今後もゆるりと更新を続けることができればと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!では、また来週!