四将新報

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【四人将棋】第6期達人戦が開催!撃破の祭典を見逃すな!!

 こんにちは、四将新報編集部です。

 2016年の第5期以降開催のなかった達人戦が、今期ついに4年ぶりの復活を遂げました!4月29日(水・祝)に開幕予定です。多種多様な四人将棋界でも異色の存在とも言うべき棋戦がこの達人戦。今回はその特徴と第6期の展望に迫っていきましょう!

 

これぞ撃破の祭典、達人戦

 

 達人戦は、日本四人将棋連盟が主催する四人将棋の棋戦。連盟所属棋士だけではなく外部から参加することが可能な棋戦として知られています。

 

 ですが、達人戦の魅力はそれだけではありません。達人戦には独自の「撃破重視」ルールがあります。これこそが他棋戦と一線を画す達人戦の真の特徴なのです!

 

 

撃破重視って?

 

 そもそも、四人将棋における「強さ」「勝利」の基準とは一体なんでしょうか?四人将棋のシングルスでは4人中3人が詰むまで対局が続きます。ですので、当然最後まで生き残った人が「勝者」と言えるでしょう。

 

 でもちょっと待ってください。将棋は「相手を詰ます(=王様を取る)ゲーム」です。相手を2人詰ませた2位と、相手を1人詰ませた1位では、果たしてどちらが「強い」のでしょうか? 

 

 この問題をポイント制の導入によって解決したのが日本四人将棋連盟の棋戦でした。「他者を詰ます=撃破」と「より長く生き残る=順位」のそれぞれに点数を与えることで、総合的な実力を競うことが可能になりました。決められた数を対局し、最も点数が高い人が勝者となる、というのが連盟主催棋戦の基本的なルールになっています。

 

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現行のルールは基本2種類。過去には麻雀に近い「国士戦」も採用されていました。

 

 達人戦はそのなかであえて「撃破」にこだわります。そのルールは「撃破で1pt」「1局で3人を全員撃破すれば+2pt」・・・たったこれだけ!何位だろうが関係なし。大会中に一番多く撃破した人が優勝する撃破の祭典なのです!

 

 盤上で求められるものが変われば、当然指し方も変わります。生き残る事を優先して2位になっても、誰も撃破できなければ0pt。ならば積極的に動くしかない、というのがこのルールの最大の魅力。棋士たちが盤上に火花を散らす、華々しい対決が期待できますね!!

 

 

中司六冠が六連覇なるか!?注目の大会展望

 

 第6期達人戦には連盟内外から8名がエントリー。1人8局ずつ指して総合成績を競います。なんといっても優勝候補は連盟会長の中司晃貴六冠でしょう。常に四人将棋界の先頭を走る中司六冠ですが、達人戦との相性は抜群。達人戦では過去開催の5回全てで優勝を果たしています。ルールに依らずその実力を発揮する中司六冠ですが、当然撃破の技量もトップレベル。むしろ撃破こそが得意だという話もあります。結果を常に残してきた絶対王者が大会六連覇を狙います。

 

 しかし、そう簡単に六連覇達成というわけにはいきません。連覇阻止を狙う実力者が大会に集います。まずは岸亜双雷帝。中司会長の復権時代となりつつある四人将棋界において、最後のタイトル保持者とも言うべき存在です。貴重な過去大会の出場経験者で、第3期では準優勝の経験もあります。ベテランとして、ここでも意地を見せてくれるに違いありません。

 

 他のタイトル経験組も黙っていません。水嶋快斗四段は先日皇帝位を失冠したものの、もちろんその実力は健在。かつて中司会長の七冠独占を崩したように、記録を阻むのはいつも水嶋四段なのかもしれません。あるきびと四段もタイトル1期の実績を引っ提げて堂々の登場。連続でのタイトル戦登場を果たした強豪棋士が、虎視眈々と優勝を狙います。ルールに応じた柔軟な戦い方にも期待です。

 

 そこに喰らいつくのが若手組。りゅう三段は新人王に続いての棋戦優勝なるか、最強位戦に向けて実績を積み上げたいところ。中田正康初段は今一番勢いがある棋士の一人でしょう。四将マスターズで見せた撃破劇の再現はあるでしょうか。普段は堅実な指し回しを見せる天GAMI初段が、達人戦ルールでどのように暴れるのかにも注目です。僭越ながら、筆者の私やきそばも本大会に出場させて頂くことになりました。

 

 激戦必至の達人戦。一局たりとも見逃すわけにはいきません!対局はいずれもSDIN無料ゲーム様にて実施予定。また、対局の模様は日本四人将棋連盟のYoutubeチャンネルにて公開予定です!どうぞお楽しみに!!