【自戦記】第7期四将マスターズ予選B卓#2─連戦!第2局・第3局─
※こちらは筆者(管理人)がnoteに投稿したものを一部再編集したものです。
第2局~序盤作戦は成功?~
迎えた第2局は対面に天GAMI初段、上家に岸亜雷帝、そして下家にCPU。そう、下家にCPUである。自分の右側にCPUがいるというのはそれだけでチャンスとしたものである。なぜなら撃破点が稼げるからだ。相変わらずの2位狙いと言えばそれまでだが、一方岸亜雷帝が上家というのも恐ろしい。逆に速攻を仕掛けられたときに勝ち目はあるのだろうか。
岸亜雷帝は1局目に5ptをゲットしているとはいえ、その辺りの立ち回りを予想する余裕は自分にはなかった。かといって防戦一方では天GAMI初段にCPUを取られる恐れがある。そうなっては作戦など無かったことになってしまう。どの程度攻めを急ぐか決めかねていたが、始まってみれば天GAMI初段がいきなりのCPU攻めを敢行。これを見た私は速攻でCPUを撃破する方針を選ぶことにした。
コンピュータへの攻めを続けて第3図。↓9四銀→同玉に↓9六銀が個人的に理想的な手順。下家に対する飛車銀両取りという意味もありながら、天GAMI初段の↑9七飛を咎めるのが一番の狙い。対面と協力する挟撃形は四人将棋にはよくあることだが、このときに対面側に得をさせないようにするというのは永遠の課題ではないだろうか。CPU玉を狭める意味では対面の飛車にも働いてもらいたいところだが、今回は飛車銀両取りになる点が大きいとみて決行した。
その後はマジック(他人の効きをヒモに王手をかけること)から飛車対面の飛車取りに成功し、一気に天GAMI陣へ攻略対象を変更。勢いそのままに天GAMI初段を撃破!・・・・・・したのはCPU。実際に1手詰の局面だったものの、他人に手柄を取られるというのは何とも言えない気持ちになる。それでも右辺を制圧したことには変わらないはず。悠々とCPUを撃破し、岸亜雷帝との一騎打ちに。
焦りが生んだ拙守
第3局~ファミレスの抜刀銀~
岸亜雷帝がトップで迎えた第3局。点数計算は少しあやふやだったが、既に大きな差が開いていることは分かっていた。Bルールはトップの価値が高く、2位の撃破点込みで4点が入手できる。ここまで積極的に指すことはできていたものの、岸亜雷帝にトップを取られ続ける限り勝ち目はない。予選突破の望みが薄くなっていることを察知しつつ、席替えを行う。本局は上家(左側)に岸亜雷帝、下家(右側)に天GAMI初段。CPUは対面に座った。
さて再び作戦に悩む。私としては岸亜雷帝を最大限に警戒しなければならないが、岸亜雷帝がCPUと私のどちらを優先するかが分からなかった。逆に天GAMI初段がCPUを狙う可能性は高いと感じていた。ならば下家(岸亜雷帝)への攻めを中心に組み立てる他あるまいと、間合いを見ながら私は天守閣玉を組んでいった。
ハプニング
その後天GAMI初段の猛追によってCPU玉が前に晒される。ちょうど手番を得た私は、三人攻撃にならないか恐怖しつつも長考の末これを詰ます。するとどうだろうか、自然と岸亜雷帝に対する包囲網ができあがっているではないか。やったぞやきそば。抜刀銀のおかげで左辺は手厚い。すぐの決め手は見つからないが攻めを継続できそうだ。天GAMI初段にトップを取られる可能性が高いが、岸亜雷帝を3位に引きずり下ろすチャンスだ。無い頭を絞りながら攻めること十数手。そう、天GAMI初段に時間切れの悲劇が起きた。
四人将棋において詰まされたプレイヤーの駒がどうなるかご存知だろうか。考案当初のルールは詰ませたプレイヤーに全駒が献上されるというものだ。ただし、このルールには「2名になるまで投了不可」というルールがかならず付きまとう。投了は撃破とは違う。つまり駒を渡す対象が定まらないため、詰むまで指し切ることが求められる。時間切れも同様で、それらを機能として実装する都合上、SDIN無料ゲームでは「詰まされた玉は裏返して障害物とし、他の駒は盤面上に残り、他プレイヤーは無条件で取ることができる」というルールが採用されている。これはこれで、残された駒をどのように奪うのかという戦いが起きるので私は好きだ。ただ、今回の時間切れは恐らく私にとって不利に働いたはずだ。もちろん、一番被害を被ったのはほかならぬ天GAMI初段自身ではあったが・・・。
天GAMI初段の駒の効力が切れ、岸亜玉に対する包囲網は解かれた。一緒に包囲網を担っていた龍はもはやただの置物と化す。そうなれば岸亜雷帝から当然反撃が。こちらも飛車を打ち込むなど攻撃を合間に挟み込むが、やはり岸亜雷帝が一枚上手。苦しい時間が続くなかで第二のハプニング。なんとエラーにより対局が中断。再開機能が効かなくなってしまった。
私は大混乱だ。どうにかこうにかと知恵を絞って再開手段を探すがうんともすんとも言わない。ブラウザゲームにできることにも限界があるということか。局面はまだ粘れそうだが、正直岸亜雷帝相手にここからまくれる気はしない。ぼんやりと投了も考えた。だが立会人の中司会長に裁定を打診したところ、結果DM上で指し手を記入し対局を継続することになった。聞けば前代未聞の出来事だそうだが、一騎打ちの局面であることから特別に認められた。史上初のSDIN無料ゲームを介さない指し継ぎ措置である。
しかし度重なるハプニングのなか、既に2度の一騎打ちを敗れた相手に指し継ぐのは心身ともに限界だった。詰まぬ玉を詰みと勘違いするなど錯覚もあって追い詰められる自玉。最後は見事に縛りを効かされて私は敗北した。
一縷の希望
対局が終わる。2位、2位、2位。自分なりのベストを尽くしたが、点差はどうなっているだろうか。これだけ差がつけば厳しいだろうと諦めの気持ちが湧いてくる。実際の点差よりも、一騎打ちで悉く負けるという状況が心理的に大きな負担だった。一騎打ちで負けるということは、一騎打ちに至るまでの立ち回りと一騎打ちでの指し回しの両方で負けるということ。つまりは総合的な実力差を示されることになるからだ。一局ならたまたまかもしれないが、三局続けば実力差だろう。
しかし脳裏には疑問も浮かぶ。天GAMI初段の時間切れの裁定である。時間切れのときの点数の扱いを失念していた。三人攻撃は事前に再度チェックしていたが、これはどういう状態なんだろう。疑問に思いつつも聞けないままでいると、中司さんから思わぬ事実を告げられる。全員撃破すれば予選通過の目がある、とのことだった。勢いよく「がんばります!!」とメッセージを飛ばす自分と、諦めの心を抱く自分。矛盾する自分を感じ取りながら、私は第4局の準備を進めていった。(#3に続く)