四将新報

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雷帝戦は予選が開幕!熱戦が続く竜帝戦の展開は!?【ウィークリー四将vol.1_8/9-8/15】

 こんにちは、四将新報編集部です。不定期連載企画として、一週間の間に行われた四人将棋連盟の公式戦結果をお伝えする「ウィークリー四将」がスタートしました。記事の投稿活動は一時休止中でしたが、簡易的に四将の「今」をお届けするこの企画。ぜひ、お時間があるときにお読み頂けますと幸いです!

 雷帝戦予選A卓 外部参加勢の明暗分かれる

 まずは雷帝戦予選から。今期は総勢10名が予選に参加し、各卓5名ずつに分かれて対局を行います。A卓は8月9日・10日に1局ずつ行われました。

第1局結果内容(169手まで)
1位アクセラさん(5pt)
2位竜也α初段(1pt)
3位中田正康初段(1pt)←アクセラさん
4位みずにゅーさん(0pt)←中田初段

 

第2局結果内容(171手まで)
1位あるきびと四段(5pt)
2位中田正康初段(3pt)
3位アクセラさん(5pt)←あるきびと四段
4位みずにゅーさん(0pt)←中田初段
          ──連盟公式ブログより抜粋

 
 開幕局は初参加のアクセラさんが大活躍!5九金左型の天守閣玉から挟撃をいなして一名の撃破に成功。最後の一騎打ちでも丁寧に指し手を積み重ね初勝利を収めました。第2局ではあるきびと四段が前期雷帝の実力を見せつけました。手堅い指し回しを見せつけて、盤石の1勝目です。

 

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 現時点の順位表は以上の通り。初参加勢はアクセラさんがトップタイの5ptを獲得。一方でみずにゅーさんは連続で挟撃の憂き目に遭い、悔しい無得点。明暗が分かれる結果になりました。残り3局で誰が抜けだすのか、まだまだ展開は予想がつきません。

 

 

雷帝戦予選B卓 heacoさんが中司六冠と激闘を繰り広げる

 雷帝戦はB卓も進行中。こちらは第3局までが実施されています。各卓5名中1位のみが直接の挑戦権獲得となるこの予選。狭き門をくぐるのは果たして誰でしょうか。

 

第1局結果内容(111手まで)
1位中司晃貴六冠(5pt)
2位やきそば初段(2pt)
3位heacoさん1pt)←中司六冠
4位高城亜樹初段(0pt)←やきそば初段

 

第2局結果内容(93手まで)
1位heacoさん(4pt)
2位やきそば初段(5pt)
3位高城亜樹初段(0pt)←やきそば初段
4位天GAMI初段(0pt)←やきそば初段

 

第3局結果内容(79手まで)
1位heacoさん(9pt)
2位中司晃貴六冠(7pt)
3位高城亜樹初段(0pt)←中司晃貴六冠
4位天GAMI初段(-1pt)←heacoさん
          ──連盟公式ブログより抜粋

 

 3局ともに短手数ので決着となり、全体的に激しい戦いが多くなった予選B卓。開幕局は中司六冠が堂々の指し回し。一騎打ちを見据えた駆け引きから盤石の勝利でした。第2局・第3局は外部参加のheacoさんが連勝!第2局ではやきそば初段の全員撃破を防ぐトップ取り。第3局では中司六冠との対決を制して一気にポイントを稼ぎました。

 

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 現時点の順位表は以上の通り。heacoさんが中司六冠を抑えて単独首位に立っています。しかし中司六冠との差はわずか2pt。やきそば初段も後ろから逆転の1位通過を狙います。残り対局数が少ない分、heacoさんは最後の1局でも好成績が求められます。七冠再独占への挑戦を目指す中司六冠へ、待ったをかけることになるのでしょうか。

 

 

第74期竜帝戦第3局~第5局 中司竜帝が突き放す。

  タイトル戦は現在竜帝戦十番勝負が進行中。ポイント制Aルールで10局を指し、合計点を競う本シリーズ。防衛戦に臨む中司竜帝に対し岸亜雷帝・りゅう三段・中田初段が挑戦する構図は、先日まで行われていた棋帝戦と全く同じ顔合わせ。8月12日(水)に第3局・第4局が、8月15日(土)に第5局が行われました。

 

第3局 勇猛果敢な中田初段を中司竜帝が打ち破る

 第3局は立ち上がりから中田初段が積極攻勢に出ます。下家の岸亜雷帝をどんどん攻め立てると、そのまま隙を逃さず撃破。その後りゅう三段の撃破にも成功します。ですが最後は中司竜帝がきっちりと戦力を蓄え、一騎打ちを制しました。

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積極攻勢に出た中田初段。勢いを感じる指し手は必見。

第3局結果内容(111手まで)
1位中司晃貴竜帝(9pt)
2位中田正康初段(2pt)
3位りゅう三段(-1pt)←中田初段
4位岸亜双雷帝(5pt)←中田初段

 

第4局 中司竜帝、王者の三人撃破

  前局に続いて中司竜帝が魅せました。番い戦模様になった本局では、下家に座った中田初段と激突!攻防の末、上下の挟撃体制を敷いて中田陣を粉砕します。勢いそのままに対面のりゅう三段を撃破すると、最後は岸亜雷帝の必死の抵抗を破り全員撃破に成功しました。

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圧巻の攻めを見せた中司竜帝。やはり王者の壁は存在するのか。

第4局結果内容(250手まで)
1位中司晃貴竜帝(14pt)
2位岸亜双雷帝(6pt)
3位りゅう三段(-1pt)←中司竜帝
4位中田正康初段(1pt)←中司竜帝

第5局 まさかの結末。戦いは撃破寸前の持将棋に!

 日を改めて行われた第5局は、4人それぞれの思惑がぶつかる難解な将棋になりました。ここまで不調だったりゅう三段が中田初段を撃破し、長い長い三つ巴の戦いに突入。中司竜帝が一時りゅう三段を追い詰めるも、岸亜雷帝が救助に成功。一転して今度はりゅう三段が中司竜帝に迫ります。しかしギリギリのところで250手に到達!戦いはまさかの持将棋となり、指し直しになりました。

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岸亜雷帝が魅せたりゅう三段への救助劇。250手の死闘は持将棋に。

 

第5局指し直し局 中田初段が捲土重来の全員撃破

 直後の行われた指し直し局。持将棋局ではラストの憂き目を見た中田初段が気を吐きます。上家のりゅう三段を徹底的に攻撃し、きっちりと撃破。勢いそのままに岸亜雷帝と共に中司竜帝を挟み撃ち。そしてここも撃破点をゲットします。岸亜雷帝との一騎打ちでは膠着状態に陥り、最後は持将棋ライン250手に到達してゲームセット。持将棋の点数勝負でもしっかり勝って、巻き返しを見せる全員撃破達成となりました。

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積極性抜群の中田初段。150手近くに及んだ一騎打ちも名勝負でした。

第5局指し直し局結果内容(250手まで)
1位中田正康初段(6pt)
2位岸亜双雷帝(7pt)
3位中司晃貴竜帝(14pt)←中田初段
4位りゅう三段(-2pt)←中田初段

 

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 現在の順位表は以上の通り。現在14ptと首位に立っている中司竜帝。2位との点差は7ptと大きく、このリードを保てば第10局を残して防衛も可能な情勢です。しかし岸亜雷帝もほぼ毎局得点に成功中。中田初段も第5局の全員撃破が効いて少しずつ差を縮めつつあります。しかし首位の中司竜帝も、第5局にして初めて無得点となりました。果たしてここがターニングポイントとなるでしょうか。折り返しを迎えた第74期竜帝戦。まだまだ目が離せません。

 

 さあ、初回からボリュームたっぷりとなりましたウィークリー四将。公式戦の情報を中心に、毎週日曜を目標に不定期更新を予定しています。竜帝戦の動向に雷帝戦の挑戦者争いまで、気になる勝負がまだまだ盛りだくさん。今後の動向にも注目していきましょう!